S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
そしてその途中、三堂さんも如月さんも営業や広報畑にいたことがあり、お酒にめっぽう強いことに気づいた。
気付いたらそのペースに飲まれていたらしく、私はなんだか、気持ちよくなって、ぐらぐらしてしまっている。
食事もとらないと余計に酔うな……と思い、止まってた食事の手を進めた。それを見た三堂さんが微笑む。
「前から思ってたけど、七瀬さん、お箸のもち方綺麗だよね。食べ方も」
「うちは、祖父が厳しかったもので」
「いいおじい様ねぇ。確か、一緒に暮らしてるんだっけ。いつも早く帰ってくのもそのためなんでしょう」
「あー……はい」
曖昧に返して、少し心がシクンと音を立てる。
といって、『部長と結婚してるから早めに帰ってるんです』とは口が裂けても言えない。
そもそもルールを破ることになるし、特に一つ目のルールは私が決めたもので、自分から破ろうとも思わない。
それでも、こうしてずっと助けられ、一緒にいる三堂さんや如月さんを騙していることは、どうしても心が痛んでしまうのも事実だ。