天敵御曹司は政略妻を滾る本能で愛し貫く
 この気持ちを全部表現するにはとても文字数が足りないけれど、でも、愛してるという言葉は、優弦さんを見るたびに込み上げてくる。
「私も……、愛してます」
 彼の目をまっすぐ見つめながら返すと、自然と私たちはキスをした。
 その時さあっと風が吹いて、綺麗な川に着水した桜の花びらが、海に向かって流れていった。
「この子の未来が明るいものになるように、強く生きていきましょうね、優弦さん」
「ああ……、そうだな」
 ずっと自分のバース性を憎んでいた私だけど、心から愛する人ともう二度と離れることができない制約を結べるのだから、今はオメガ型に生まれてよかったとさえ思っている。

 優弦さんの腕の中には、かけがえのない大切な娘がいる。
 彼と私の心が通じ合った奇跡が、目の前にある。
 遺伝子など関係なく、私は自分の意思で、この人を選んだのだ。
 ささやかな幸せを噛み締めながら、いつかくる最期の時までともに歩んでいこう。
 流れゆく川のように、穏やかに……清らかに。

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