全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
 寝室の扉を開けると、すぐにベッドに押し倒された。

 私の首筋に執拗にキスをする魁からは、私と同じシャンプーの香りがする。
 服の裾から侵入してきた彼の手が私の素肌を愛撫して、敏感なところを攻め始めた。


「その顔、そそる」

「やだ、恥ずかしい……あっ……」

「我慢の限界」


 理性を飛ばした彼が私の中へ入ってきて、激しい息づかいで腰を打ちつけてくる。

 真上から時折届く魁の視線がとても色っぽくて、なおかつきちんと愛おしさが込められていた。
 私はそれがうれしくてたまらなくて、彼の首に腕を絡めながら快楽の波に身をまかせた。


 行為が終わったあとはふたりとも体に汗をかいていた。
 初めは息が切れていた魁だったが、それもすぐに収まり、今は私に腕枕をしながら抱きついている。


「これは……マジで朝までコースだな」

「え?!」


 魁の腰……いや、私の体は壊れてしまわないだろうか。
 そんな心配を即座にしてしまったが、私も離れたくなくて、彼のたくましい胸板にべったりとくっ付いた。

 魁は宣言どおり、そのあと何度も私を抱いて。
 気がついたらカーテンのすき間から朝日が差し込んでいた。

 今日はふたりとも仕事があるのに。一睡もせずに出勤することになろうとは。

< 118 / 149 >

この作品をシェア

pagetop