全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
「店、こっちなんだ」
魁が大通りの向こう側に指をさして行く方角を示す。
つられるようにボーッとそちらを見つめていたら、彼は力強く私の右手を引いて歩き出した。
「ちょ、ちょっと!」
「人が多いからはぐれるかもしれないだろ」
信号が青に変わり、手を繋いだまま横断歩道を渡ったが、たしかに往来する人の数は多い。
魁にとってみればなんでもない行動なのだろう。私だけ変に意識するのはやめよう。バカみたいだ。
「ここなんだ」
「へぇ、素敵なお店ね」
しばらく歩くと湖畔のほとりにあるような落ち着いた雰囲気の建物があり、そこが魁のお目当てのレストランだった。
中に入ると店のインテリアは木目調のもので統一されていて、ひとつひとつがとてもオシャレでセンスがいい。
こうして店内をキョロキョロ見回してしまうのは、私の職業病だ。
「郁海はなにが食べたい?」
テーブル席に案内され、魁と向かい合わせで椅子に座る。
ふたりでひとつのメニューを覗き込み、どれにしようかと悩んだ末、魚介がたっぷり入ったペスカトーレのパスタとシンプルなクワトロフォルマッジのピザを頼んでシェアすることにした。
魁が大通りの向こう側に指をさして行く方角を示す。
つられるようにボーッとそちらを見つめていたら、彼は力強く私の右手を引いて歩き出した。
「ちょ、ちょっと!」
「人が多いからはぐれるかもしれないだろ」
信号が青に変わり、手を繋いだまま横断歩道を渡ったが、たしかに往来する人の数は多い。
魁にとってみればなんでもない行動なのだろう。私だけ変に意識するのはやめよう。バカみたいだ。
「ここなんだ」
「へぇ、素敵なお店ね」
しばらく歩くと湖畔のほとりにあるような落ち着いた雰囲気の建物があり、そこが魁のお目当てのレストランだった。
中に入ると店のインテリアは木目調のもので統一されていて、ひとつひとつがとてもオシャレでセンスがいい。
こうして店内をキョロキョロ見回してしまうのは、私の職業病だ。
「郁海はなにが食べたい?」
テーブル席に案内され、魁と向かい合わせで椅子に座る。
ふたりでひとつのメニューを覗き込み、どれにしようかと悩んだ末、魚介がたっぷり入ったペスカトーレのパスタとシンプルなクワトロフォルマッジのピザを頼んでシェアすることにした。