全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
「それでいいのか?」
「うん」
「そうか……俺も郁海が好きなんだけどな……」
土屋さんとも関係を持っておきながら、どの口が言うのかとあきれてしまう。
「私がこれを言うのも変なんだけど、不倫はやめて奥さんを大切にね。二人目の子供が産まれるんでしょう?」
「正しい意見だ」
結局彼が土屋さんとの不倫関係を断ち切るつもりがあるのかどうか、明確な答えは聞けなかった。
だけど、あとは知らない。駿二郎が決めることだ。
私は元の“部下”に戻る。彼のスマホに個人的な連絡はもうしないし、ふたりで会うこともない。
駿二郎が再び背を向けて歩き出すと同時に、私の目には自然と涙が溜まってきた。
あの背中が好きだった。ハイセンスなスーツ姿も、余裕のある大人っぽい仕草も。
だけど、彼は最初から私のものではなかったのだ。
今はつらいけど、やっと長い夢から醒めた……そんな気がした。
「うん」
「そうか……俺も郁海が好きなんだけどな……」
土屋さんとも関係を持っておきながら、どの口が言うのかとあきれてしまう。
「私がこれを言うのも変なんだけど、不倫はやめて奥さんを大切にね。二人目の子供が産まれるんでしょう?」
「正しい意見だ」
結局彼が土屋さんとの不倫関係を断ち切るつもりがあるのかどうか、明確な答えは聞けなかった。
だけど、あとは知らない。駿二郎が決めることだ。
私は元の“部下”に戻る。彼のスマホに個人的な連絡はもうしないし、ふたりで会うこともない。
駿二郎が再び背を向けて歩き出すと同時に、私の目には自然と涙が溜まってきた。
あの背中が好きだった。ハイセンスなスーツ姿も、余裕のある大人っぽい仕草も。
だけど、彼は最初から私のものではなかったのだ。
今はつらいけど、やっと長い夢から醒めた……そんな気がした。