全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
「及川さん、今の誰ですか?」
魁の背中を見送って仕事に戻る。
すると道長くんが足早に近寄って来て、興味津々に尋ねてきた。
「え、いや……ただの知り合い」
「そうは見えなかったですけど? あの人、及川さんにめちゃくちゃラブラブ光線送ってましたし」
道長くんの発言に自分の耳を疑った。
親しそうに話しているように見えたのだろうけれど、それは友人関係だからなのに。
「彼氏ですか? さすが及川さんだな。年下のイケメンを虜にするなんて」
「そんなわけないでしょ!」
わざと大げさにあきれた顔をしたあと、道長くんの追及から逃れるために、話題を仕事の話に変えた。
道長くんは面白がっているだけだ。
私と魁が似合いのカップルに見えるのだと、調子に乗って勘違いしてしまったら、あとで恥ずかしい思いをするのは私ではないか。
だけど先ほどの、照れとうれしさが混じったように笑った魁の表情が頭からなかなか消えない。
あの顔は作ったものではないだろう。昔から魁は小ずるい真似はしたりしないから。
私に対する魁の態度は、恋愛感情なのか違うのか。
そこがはっきりしない限り、私はどう接していいかわからずにモヤモヤが続くのは必至だ。
魁の背中を見送って仕事に戻る。
すると道長くんが足早に近寄って来て、興味津々に尋ねてきた。
「え、いや……ただの知り合い」
「そうは見えなかったですけど? あの人、及川さんにめちゃくちゃラブラブ光線送ってましたし」
道長くんの発言に自分の耳を疑った。
親しそうに話しているように見えたのだろうけれど、それは友人関係だからなのに。
「彼氏ですか? さすが及川さんだな。年下のイケメンを虜にするなんて」
「そんなわけないでしょ!」
わざと大げさにあきれた顔をしたあと、道長くんの追及から逃れるために、話題を仕事の話に変えた。
道長くんは面白がっているだけだ。
私と魁が似合いのカップルに見えるのだと、調子に乗って勘違いしてしまったら、あとで恥ずかしい思いをするのは私ではないか。
だけど先ほどの、照れとうれしさが混じったように笑った魁の表情が頭からなかなか消えない。
あの顔は作ったものではないだろう。昔から魁は小ずるい真似はしたりしないから。
私に対する魁の態度は、恋愛感情なのか違うのか。
そこがはっきりしない限り、私はどう接していいかわからずにモヤモヤが続くのは必至だ。