そして僕はまた、君に出会える時を待つ
酔った彼女と再会し、初めてマスターと話をした。
その翌日は、なんだか行きづらくて。
店には行かず、まっすぐ帰宅した。
とはいえ、彼女のことを考えてしまうという状態に変わりはなくて。
3日後、僕はまた、あの洒落た店のドアをくぐっていた。
「いらっしゃい」
マスターの声に顔を上げると、カウンターに座っていた女性がこちらを振り向く。
後ろ姿の感じで、もしかして……と思っていたけれど。
それはやっぱり彼女、加奈子さんで。
僕を見ると、彼女はちょっと恥ずかしそうに目線を外した。
ひねった体を元に戻し、見上げた彼女の視線の先で小さく頷くマスター。
「どうぞ」
僕に示されたのは、この間と同じカウンター席。
まだ昼過ぎのせいか、今日は加奈子さんもコーヒーを飲んでいた。
彼女がお酒を飲んでいたなら、僕も今日は頼もうかな、なんて思っていたので、少しだけ残念に思う。
「……本日のコーヒー、で」