そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「今日のは、コレ、だけど」
示された卓上の小さな紙には、長いカタカナの名前。
下に()でコロンビアと書いてある。
これは生産国なんだろうか……
正直言って、ちょっとわからなかったし、味の想像もつかなかったけど、動揺を押し殺して頷く。
「はい、コレで」
別にツウぶりたいわけじゃないけど。
これって何ですか?とか、どんなのですか?なんて訊いたら、ダサいんじゃないかなって思えて。
彼女の前だし、できるだけスマートな対応をしたかっただけだ。
……こんな考え自体が、ダサいのかもしれないけど。
この間の彼女は酔っていたし、これが初対面みたいなものだから。
ダサい奴とか、変な奴とか思われたくないし、できれば、好印象を持ってほしい。
「かしこまりました」
唇を笑みの形にしたマスターが準備を始めると、こそっと横合いから小さな声がかけられる。
「あの……この間は……ごめんなさいね」