そして僕はまた、君に出会える時を待つ
見る度に、違う顔。
大人の女性の落ち着きを身に着けながら、コロコロと表情を変える彼女から、僕はもう目が離せない。
とはいえ、あまりにも凝視していると変態っぽいので。
僕は自然さを装って、店内の様子なんかに目を走らせながら、コーヒーの到着を待つ。
「……学生さん?」
「えっ?いえ」
今日の服装、ガキっぽかっただろうか……
面喰ってしまった気持ちを落ち着け、加奈子さんの方に体を向けて、少しだけ低いトーンの声を出してみる。
「社会人……と言っていいかどうかはわかりませんが、働いています。一応」
「一応?」
くすっと笑って、カップを置くと、加奈子さんはくりんと茶目っ気たっぷりの微笑みを浮かべた。
「卒業はしたんですが、職場……というんでしょうか。そのまま大学で働いているので」
「……通っていた大学で?」
「はい、大学の研究室で」
「すごい、先生なのね」
「いえ……ただの助手です」