そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「一回りか~、若いね」
そう言ったのはマスターで。
加奈子さんは大きなため息をついて、額を押さえた。
「……ちょっと回復するのに時間かかるかも」
苦笑して、マスターは空になった加奈子さんのカップを下げる。
「甘いものでもどう?今日は、ガトーショコラがいい感じにできたんだけど」
「……お願いします」
「うん」
何か言いたげに、僕を見つめるマスター。
なんだろう?と思って、あ、と、注文を付けくわえる。
「あの、そちらの……方の、分も。2つ」
「……そうだね、それがいい」
今までは、そんな必要を感じたことがなかったけれど。
僕は何よりも先に、女性に対する基本的な対応を学ばなければいけないのかもしれない。
……一体どうやって?って話だけど。
マスターみたいな人は、こういったスキルをどこでどうやって身に着けたんだろうか?
こんな風にうまく立ち回れる男になれる予備校のようなものがあるのなら、僕は夜遅くたって通うのに。