そして僕はまた、君に出会える時を待つ

「はぁ……ごめんね」

マスターが厨房に去ってから数秒後に復帰した加奈子さんは、そんな言葉と共に僕を見た。

ちょっと疲れたような表情。

年齢を尋ねたことが、それほど彼女の負担になってしまったのだろうか?

申し訳ない気持ちで見返すと、加奈子さんは眉を下げて笑った。

「自分から訊いておいて、おかしいよね」
「いえ、それは……」
「でもね、私くらいになると、けっこうきつくなってくるのよね。そういうのって」
「……すみません」
「ああ、そうじゃなくって」

笑った加奈子さんは、コーヒーカップが消えていることに気づくと、水の入ったグラスを手に取った。

「この国ではね、女の若さに価値を感じる人が多いでしょう?」
「……そういう男が多いのは、僕も感じたことがあります」
「男性だけじゃなく、女性もよ」

大抵の人の場合、周りの評価と自己評価は相関関係にある。

男達が声高に、若い女がいいと言えば、評価を受ける女性達が若くあろうとするのは当然だ。
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