そして僕はまた、君に出会える時を待つ

「……へ?」

ぽかんとしてしまった僕をよそに、加奈子さんは憂い顔で続ける。

「35過ぎて独身とか大丈夫?って、余計なお世話だってのよ」
「まあまあ」

怒りを吐き出すように大きなため息を吐いた加奈子さんの前に、そっとケーキの皿を置いて、マスターが慰めるように声をかける。

「自分だって40過ぎのくせに、女は30前半には結婚してなきゃとか、自分のことは棚においてよく言えるわよね」
「40過ぎだったんだ」
「43歳。でも、35過ぎて独身の女は無理なんですって」
「その人、加奈子さんがいくつか知らないの?」
「伝えてたはずよ、もちろん」

だんだんと、話の流れが見えてきた。

年齢のことで不愉快な思いをした後に、さっきの僕の発言……

それは確かに、キツくて面白くなかったことだろう。

事情を知らなかったとはいえ、本当に申し訳なかったと反省する。

「だからね、言ってやったのよ」

ふう、と、はさまれるため息。
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