そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「20代の女の子と会いたいなら、そのお腹をひっこめてからじゃないと行けませんねって」
「っ……あ~あ……言っちゃったね」
軽く噴き出したマスターがそう言うと、加奈子さんは苛立たし気にケーキにフォークを突き立てた。
「だって、本当に中年のおじさんて感じで、大人の余裕というか、素敵さみたいなのはなかったし。あんなビール腹なのに若い女がいいとか、よく言えるな、と思って」
「まあ、体形は自分でどうにかできるしね」
僕の前にも同じ茶色のケーキを置いて、マスターが笑う。
高いカウンターのせいで、まじまじと眺めたことはないけれど。
マスターのそれなりにフィットしたシャツのお腹は、中年太りの気配さえない。
もちろん、それは加奈子さんも同様で。
きちんとした大人の余裕を感じさせる2人は、しっかりと体形をコントロールしているらしい。
「でしょ?自分の姿、鏡で見てから言えってのよ」
口に入れたケーキの欠片を咀嚼しながら、加奈子さんはすらりとした脚を組み替える。