そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「美也子は、私達が住むなら、その方がいいって言ってくれたわ」
「なんだ、もう決めてたんですね」
眉をひそめて言うと、加奈子さんはくすっと明るい笑顔を見せてくれた。
「だって、雄太くん、お母さんが入院中も庭のこと気にかけてたでしょ?だから、いいかなって」
確かに、最初は義母の希望で手を入れはじめた庭だけど、1年以上にもなると、それなりに愛着がわいてしまっている。
義母のお気に入りだった薔薇は、特に。
今年の春から夏の始め、盛りを迎えた姿を義母に見てもらえて良かった。
そんな思いを胸に、労りながら手入れをしようと思っていたところだった。
「あとはね、もし子供がいたら……さ。こっちの方がいいかなって」
「……え?!」
思いきり驚いてしまったのは、全くもって僕には身に覚えがないからだった。
「それって……え?!」
「あ、いや、そうなったらいいなって……希望よ、希望!」