再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
「あれ?祥ちゃん?」
帰り道、偶然健斗の友だちに会った。何度か一緒に食事をしたことがある人だ。
「お久しぶりです」
ぎこちなく笑う祥を見て、ホッとしたように彼は言った。
「よかった。祥ちゃんはとりあえず元気なんだね。健斗が日本に帰ってこないことが決まって、祥ちゃんは大丈夫かなと思っていたんだ」
「え?」
驚く祥を見て、彼はしまったという顔になった。
「もしかして知らなかった?この前、健斗の親から大学病院に連絡がきたんだ。健斗はこのままロンドンにいることになったって」
余計なことを言ってごめん、と彼は慌てていた。
健斗は帰ってこない。
なんとなくそうではないかと思っていたことが現実となった。
祥は茫然としながら、家に帰った。
もう一度、健斗に電話をかけてみると「この電話番号は現在使われておりません…」というメッセージだけが流れる。
嘘つき。
一緒に暮らそうって言ったくせに。
祥は健斗の連絡先を消去した。
涙で目がかすみ、消すのも大変だったけれど、もう健斗の名前を見るのも嫌だ。
たくさんの二人の写真、あの日撮った梅の写真さえも削除する。
健人に関するものは何一つ残しておきたくなかった。
今日だけ。今日一日だけ泣こう。
祥は体が空っぽになるまで泣き続けた。