一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ


「キス!」
「キッス」

拍手に乗せられたのか、照れながらも匡が紗羽の頬にキスをする。

「あれ~場所が違わない?」

誰かが言いだすと、またキスコールだ。
真っ赤になった紗羽を見て、匡は軽く唇にキスをした。

同時に参列者からひときわ大きな拍手が沸き起こる。

「おめでとう!」

紗羽の目にはとうとう涙が浮かんできた。
それを見た匡は、そっと紗羽を抱き寄せる。

「幸せになろう」

小声で紗羽の耳元に囁いた。
こくりと頬を染めて頷く紗羽は、初々しい。

ふたりを囲んでの穏やかなパーティーは日暮れまで続いた。



***



ホテルのケータリングを利用した料理やお酒にも大満足した招待客が帰ってから早々に、三船も屋敷から出掛けて行った。
休みが取りやすい夏までハネムーンに行かないという新婚カップルに気を遣って、清水の招待で神戸に遊びに行くことにしたのだ。

広い屋敷には、今夜から一週間ほど匡と紗羽のふたりだけになる。
ケータリングスタッフが手際よく片付けてくれたので、屋敷の中はいつもの静けさが戻っていた。



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