俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました




次の日、お世話になりましたと頭をさげた四人は、とてもすっきりとした顔をしていた。


チェックアウトもゆっくりで大丈夫だと伝えていたが、4人は10時きっかりにフロントに現れた。

一晩話し合ったナオとトモが覚悟を決め、朝早くに両親に頭をさげたそうだ。

父親だけはまだ微かに苦みを残した顔ではあったが、きっとこの様子であればなんだかんだ言いつつも協力してくれるのだろう。


「美夜さん、ありがとう。わたし産むよ。でも、産みたいってだけじゃなくて、自分のことも頑張るし、トモのこともちゃんと支える。
トモはバスケの選手になるのが夢なの。大学もバスケ強いところから声がかかってるんだ。そういうのも、全部諦めない。わたしと赤ちゃん守ってくれるトモを、わたしも支えてあげるんだ」

「うん。応援してる」

「またぜったい遊びにくるから。わたしは間違ってなかったっていう、幸せな姿を見せに来る」



ナオは涙ぐんだ。

「わたし、ここに来てよかった」

たった一晩一緒に過ごしただけなのに、別れがたく感じた。つられて涙ぐむ。
女将は満足げに微笑んでいた。
縁を結ぶ旅館というのも、なかなか、真実味があるのではないか。



「うん。待ってるね」

ナオと連絡先を交換し、指切りをして別れた。




***


夕方、夜尋は機嫌が悪かった。

保育所に迎えに行き、「ともくんは?」と聞かれて、もう帰ったのだと告げてからずっとだ。


「よっぽどトモヤくんが気に入ってたんだな。地味に嫉妬するんだけど」


音夜は、少々唇を尖らせていた。



「背が高かったからねぇ。彼のたかいたかいものすごくパワフルだったし。
夜尋~もうご機嫌なおして、ごはん食べようよー。ほら、今日は大好きなハンバーグだぞ」

「やーなの! ともくんとあしょべないのめっ! なの!」


一口大に切ったハンバーグを口の前に出すが、つんけんして取り合ってくれない。

お別れの挨拶の時に、夜尋も立ち会わせるべきだったと後悔した。
早く食べ終えてくれないと、お風呂の時間も無くなってしまう。
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