最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
会場に入るなり違和感を感じたのは、女性スタッフ数人の冷ややかな視線がこちらに向いているから。
目が合った途端、無視するように散っていかれるのが返って傷つくんだけど……何? 私なにかした?
「あ! 瑠歌ここにいたんだ!」
落ち込むな……なんて肩を竦めていると、入口の方から仁菜は私を見つけるなりまわりの目も構わず慌てた様子で駆け寄ってきた。
「ちょっとこっちこっち!」
「な、なに!?」
理由も言われず腕をグイグイ引っ張られながら会場の裏へと連れて行かれ、せき立てるように彼女は詰め寄ってくる。
「昨日、桜林さんと何かあったの!?」
「何かって………なんの話?」
「今朝みんなが噂してるよ! 瑠歌が桜林さんにパワハラしたとか何とかって!」
「パ、パワハラ? はあ!?」
私が何したって? そんなのまったく身に覚えがなくて、聞き捨てならない話に呆れてしまい無意識に声が大きくなってしまう。
「ちょっと何それっ どういう事!? なんでそんな噂になってるの!?」
仁菜以上に今度は私の方が興奮し、詳細を聞きたくて息継ぎも忘れて返事を急かしたけれど、その勢いに呆気に取られる彼女は『ちょっと落ち着いてよ』と制止させようとする。
「何人かのコ達が、昨日瑠歌が桜林さんに怒鳴っているところを見たって言ってたけど……」