エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「もし事件の真相を手に入れることと大切な人を守ることを天秤にかけることになったとしたら、俺は迷いなく大切な人を守ってほしい。……紅葉様はお前にとってそういう存在の人なんだろ?」

「なに、言って……」

 動揺する俺を見て兄は目を細めた。

「言っておくがバレバレだぞ? そもそも静馬から女性の話を聞くのは初めてだし、彼女のことが心配でたまらないといった顔をしていた。今夜だって彼女のために計画に変更が生じるかもしれないってことを相談しに来たんじゃないのか?」

 なにもかもが図星でただ、呆気にとられる。本当、兄にはなにもかもお見通しなんだな。

「そうだよ、当初の予定だった本宅に潜入して証拠を入手することが困難になったことを伝えに来たんだ。……あんな場面を見てしまったら、紅葉様を本宅に行かせたくなくなった」

 円城久次にさえ会ってほしくない。あの男に会ったら紅葉様が傷つくだけだ。

「それは俺も同感だ。誰かを傷つけてまで遂行するつもりはない。別の方法を考えよう。近いうち、あいつらとも話し合う必要があるな」
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