エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「そうですね、本名は桜堂静馬ですし……では、今後は〝静馬さん〟と呼んでくれますか?」

「えっ!?」

 思いがけない提案にびっくりして足が止まる。すると木嶋さんも足を止めて私の顔を覗き込んできた。

 端正な顔が至近距離にあって思わず一歩後退んだら、すかさず彼もまた一歩距離を縮めた。

「呼び方を変えるなら名前で呼んでください」

「えっと……」

 あれ? 木嶋さんってこんな人だった? 名前で呼んでほしいなんて言う? もしかして冗談とか? それで慌てふためく私を見て笑うつもりなんじゃないの?

 だったらこんなにもドキドキさせられていて、彼の思惑通りになるのが悔しい。

「早く呼んでください」と急かされたから、「静馬さん」とすぐに呼んだ。

 すると彼は目を丸くさせた後、嬉しそうに顔を綻ばせた。
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