エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「わかりました。じゃあこれからは静馬さんって呼びます」

 すると彼は目をクシャッとさせた。

「ぜひお願いします」

 あぁ、もう本当に好きな人の笑顔の破壊力は凄まじい。今にも心臓が壊れそうだ。

「では私も紅葉様のSP職を退いたら、〝紅葉〟と呼ばせてください」

「――え? えっ?」

 聞き間違いじゃないよね?

 だけどそれって静馬さんは、私のSPから外れた後も私と会うつもりでいるってこと?

 目を白黒させる私を見て、静馬さんはただ微笑むだけ。

「約束ですよ。では帰りましょう」

「は、は……い」

 これこそ冗談? だけど『約束ですよ』って言ったよね?

 歩を進めながら、隣を歩く彼の横顔を盗み見る。

 静馬さんはなにを思って言ったのだろう。でもあんなことを言われたら、嫌でも期待してしまう。

 きっと夢にも思わないんだろうな。静馬さんの一語一句にこんなにも私の心がかき乱されていることを。

 静馬さんの気持ちがわからないからこそ胸が苦しい。
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