エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「退院後は紅葉様とおふたりで、私の実家に身を寄せてはいかがでしょうか?」
 思いがけない提案に言葉を失う。

「えっと……」

 どうにか声を絞り出したものの、言葉が続かない中、静馬さんはさらに驚きの提案を続けた。

「それとずっと考えていたことなのですが、円城守に返済してもらったという借金と援助してもらったお金を、私のほうで清算させていただけないでしょうか?」

「え? ちょ、ちょっと待ってください。それはどういうことですか?」

 慌てて聞き返した父に、静馬さんは真剣な表情で説明してくれた。

「婚約破棄を申し出る時に、円城守に借りたお金も返すべきです。彼が逮捕される事態になったら、借金を肩代わりしたことを理由に脅しをかけてきたり、こんなことを考えたくはありませんが、裁判となった際には自分にとって有利になる証言をするよう脅迫してきたりする可能性も捨てきれません」

 そんなこと実際に起こるとは信じたくないけれど、想像できる出来事に不安は募る。
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