エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 家政婦と鉢合わせないように、慎重に進んでいく。

 初めて円城家を訪れた際に、久次さんが得意げに家の中を案内してくれた。「俺とお前とでは住む世界が違うが大丈夫、俺と結婚すれば慣れるだろう」なんて失礼なことも言われたっけ。

 そんなことを思い出しながら歩を進めていくと、反対側から由香里たちがやって来た。

「由香里!」

「紅葉!」

 進むスピードを速めて互いのもとへ駆け寄る。

「どうだった? 見つかったの?」

 はやる気持ちを抑さえながら小声で聞くと、由香里は笑顔でVサインした。

「金庫を開けるのに手間取っちゃったけど、無事に脱税の証拠を手にすることができたよ」

 ゆかりの話を聞き、ホッと胸を撫で下ろす。

「封筒には別の書類を入れてきました」

 そう言って溝口さんはA4サイズの封筒を掲げた。
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