エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 いやいや、木嶋さんは仕事で仕方がなく私に買い物に付き合ってくれているのに、恥ずかしいと思うなんてありえないでしょ。そう自分に言い聞かせて次々と食材をかごの中に入れていく。

「円城様にお料理をお届けしているんですか?」

「えっ?」

 急に声をかけられてびっくりし、思わず手が止まる。すると木嶋さんは少し気まずそうに話しだした。

「すみません、お父様とのやりとりが聞こえてしまったもので。だからおひとりなのに、こんなに食材を買い込んでいるのかと思いまして」

 木嶋さんに言われて改めてかごの中を見ると、どれもふたり分ずつ入っている。だけどこれは決して久次さんの分ではない。これからは木嶋さんが家の中で護衛してくれると言うから、普通に彼の分も作るつもりでいたけれど、迷惑だった?

 だけど一緒にいるのに私だけ食事するのは忍びないし、できれば一緒に食べたい。

「あ……違うんです。これは久次さんの分ではなくて、ですね……その、木嶋さんさえよろしければ食べていただけませんか?」

 恐る恐る聞くと、木嶋さんは目を見開いた。
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