エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 なんとなく後者の気がするけれど、あまりに木嶋さんが楽しそうに笑うから、怒るに怒れない。

「円城様の前でも、今のような素直な紅葉様でいらっしゃればいいと思います。そうすれば円城様も紅葉様の魅力に気づき、あなたのことを大切にしなくてはと思うはずです」

 ドキッとするような言葉を言われ、心臓が暴れだす。今度は平静を装えず、言葉がなかなか出てきてくれない。

 だってなんか、木嶋さんが久次さんの立場だったら……みたいな言い方をするから。まるで木嶋さんにそう思っているかのような錯覚を覚えてしまう。

「円城様に紅葉様がどんな風に接しているのかわかりませんが、夫婦になるのですから、対等な立場であるべきです」

 対等な立場、か。結婚とは愛し合う者同士が結ぶ契りなのだから対等であるべきだ。でも私と久次さんは違う。

「それは無理な話だと思います」

「なぜですか? ……上司からチラッと聞かせていただきましたが、両家の利害の一致で結婚するのですよね?」
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