エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「実は私、お菓子や料理を作ることが好きで、結婚したら家族に手料理を振る舞うことにずっと憧れてきたんです」
 
初めて久次さんに伝えた夢。どうか叶えさせてほしい。

「もし私が作ったお菓子や料理が久次さんのお口に合ったら、結婚後の食事は私に任せていただけませんか? ……久次さんと毎食、食卓を囲みたいんです」

 最後まで話を聞いてもらえた。これには私の提案を受け入れてくれるかもと期待してしまう。

 緊張が高まる中、ジッと久次さんの答えを待つ。

 さっきから表情を変えずに彼もまた私を見つめている。久次さんは今、なにを考えているのだろう。

 たった十数秒間が異様に長く感じる中、久次さんはにっこりと微笑んだ。その姿に安堵した次の瞬間、彼の手がクッキーの入った袋を払いのけた。

「素人の作ったものはいっさい食べないと言った俺に対して、よくも手作りのものなど差し出せたな」

 怒りを露わにした久次さんは立ち上がり、クッキーの入った袋を思いっきり踏みつけた。

「しかも結婚後は、食事を作らせてほしいだと? 厚かましいのにもほどがある!」
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