エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 何度も踏みつけられるたびに、袋の中でクッキーが粉々に砕ける音が聞こえてくる。

 やっぱり久次さんと理想の結婚生活を夢見たらいけなかったんだ。彼にとって私は自分の利益に繋がる道具としか思っていない。

 私と普通の結婚をするつもりも、夫婦になるつもりもないんだ。

「生活の保障だけではなく、楽な暮らしをさせてやると言っているのに、よくそんなことが言えたな! いいか? また俺を怒らせるようなことを言ったら、肩代わりした借金や父親の治療費など一生をかけて返してもらう」

「すみませっ……」

 あまりに久次さんがすごい形相で怒るものだから、恐怖で声がうまく出てこない。それでも必死に頭を下げて謝る。

「わかったら、早くこのごみを持ってさっさと帰れ!」

 さんざん踏みつけた袋を手にすると、久次さんは私に向かって投げつけた。

 痛みを覚悟して固くギュッと目を閉じたものの、いつまで経っても痛みは襲ってこない。
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