エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「なんだと!?」

 嘘、木嶋さんってそんなに強いの?

 SPが嘘を言っているようには見えず、久次さんは狼狽えだした。その姿を見て木嶋さんは私の手を取る。

「今後、紅葉様に対しての言動には十分にお気をつけください。いいですか? これは警告です」

「……っ」

 怒りのこもった目を向けられるが、すぐに久次さんから隠すように木嶋さんが私の前に立った。

「帰りましょう、紅葉様」

「でも……」

 大丈夫だろうか、久次さんを怒らせたまま帰っても。あとになって大変なことになったりしない?

 その不安が拭えず、立ち上がることができずにいると、木嶋さんが優しい声色で言った。

「ご安心ください。紅葉様は全力で私がお守りしますから」

「木嶋さん……」

 ここで素直に帰ったりしたら久次さんのことだ、さんざん嫌味を言われ続けるだろう。そうわかっているのに、木嶋さんのことを信じたくてたまらない自分がいる。
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