エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 彼ならすべてのことから私を守ってくれると。そう、信じてもいい?

「さぁ、紅葉様。こんなところに長居は無用です」

 この先、どうなるかなんてわからない。後日、久次さんにひたすら頭を下げ続けることになるかもしれないし、最悪の場合は肩代わりしてもらった借金を返せと言われる可能性もある。

 それでも今は……今だけは木嶋さんを信じたい。

「……はい!」

 彼の手をギュッと握り返し、ゆっくりと立ち上がった。そして呆気に取られている久次さんに目を向ける。

「すみません、久次さん。今日はここで失礼します」

 頭を下げると木嶋さんはそっと私を守るように背中に腕を回した。

「失礼します」

 小さく頭を下げて言った木嶋さんに対し、久次さんは「二度と来るな!」と怒鳴った。さらに「紅葉、今度会ったら覚えていろよ!」と怖いことを言う。
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