エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 木嶋さんの話を聞いて安心した父は私を見据えた。

「それじゃ紅葉、できるだけ早く穏便に婚約破棄できるよう考えようか。その親戚の集まりまでにはケリをつけたいよな」

「うん。これ以上久次さんの身内と関わらないほうがいいと思うし」

「そうだよな。退院する前に父さんから円城さんに連絡をしよう。そこで紅葉と久次さんの婚約を解消してほしいことと、立て替えてもらった借金や治療費、生活費などは少しずつ返していくと言ってみるよ」

 それで素直に「わかった」と頷いてくれたらいいけれど。父も同じことを思っていたようで、「そう簡単なことではないと思うが」と苦笑いしながら付け足した。

「とにかく紅葉はなにも心配することはない。ここからは父さんに任せなさい」

「……うん」

 ここで無理はしないで。私も協力すると言っても父は拒否するだろう。それに私が出ていったら、余計に話がこじれる可能性もある。

 ここは素直に父に任せるべきだよね。話し合いは長引くかもしれないけれど、婚約破棄を申し入れただけで父に危害が及ぶことはないだろうし。
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