忘れさせ屋のドロップス

「えっと、でも、あの、……」

「あ、襲われないか心配?」

俯いた私に、渚さんがクスクスと笑う。

「姉のアタシが言うのも何だけど、遥は無理やり女の子に手を出したりしないし、料理も掃除もできるから。ちなみに遥は、有桜ちゃんと住むのオッケーだから。期間限定ってことで」    

両手を合わせて、お願いのポーズをする渚さんを見ながら、私は小さく頷いていた。

断ろうと思えば断れたはずだし、渚さんも無理強いしなかった筈だ。

でも私は、何故だかわからないけど、見ず知らずの遥と暮らすことが嫌だとは感じなかった。

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