忘れさせ屋のドロップス

『社会はな、オマエが思ってるほど優しくねーの!」

ふいに脳裏に浮かんだ言葉は、誰から言われたんだっけ? 

ほんと、世の中は誰にでも平等でもないし、優しくもない。

「早く大人になりたいな……」


……なんて漠然と大人になれば何でも解決できるような気になって、結局何も変われない私はいつまでたっても子供だ。 


『ガキだな』


そう言って見上げた私の頭をくしゃっと撫でてくれたのは誰だったんだろう。


空は淡く藍に色を変えていく。なんだか空がオレンジから藍に変わるのを見ていたら、これから訪れる、ひとりぼっちの夜を思い出して涙が溢れた。
  

もう泣きたくないのに。 

私は膝を抱えて俯いた。


「……ひっく……っ……」


涙にはどうして限りがないんだろう。


いつも寂しくて、苦しくて、泣いても泣いても哀しくて……泣かなくていいからと、誰かに見つけて欲しくて。
< 149 / 192 >

この作品をシェア

pagetop