忘れさせ屋のドロップス
「何?どした?」

「あ、の遥の匂いと、その……私の匂いもするから、何か恥ずかしくて」

「ふうん。なぁ、昨日さ、どこから覚えてないの?」

「こ、答えにくいよ」

 思わず遥を見上げて返事した私に、遥は意地悪く口角を上げた。

「あっそ。昨日俺のスウェット着せんの大変だったんだからな」

「お、ぼえてない、あの、その……」

「何?」

「あんまり見てない、よね?」


遥が、クククッと笑った。


「え?」

「あのな、ちゃんと見なきゃ、服着せる以前に、あんなこと出来ないだろーが。大体、有桜だって見ただろ」

「見てないよ!」

「へー、じゃ、何思い出して真っ赤な訳?」

「……遥、が……」

「俺が?」

遥が優しく抱いてくれたこと、自分とは思えない色んなコトが思い出されて、恥ずかしくて涙目になる。

遥が、私をぎゅっと抱きしめた。

「おしまい。これ以上言ったら、また泣かせそうだから」

そのまま、ゆっくりと遥の唇が、私の唇に重ねられる。

段々深くなって、遥が私を組み敷いた。

「……しよっか」
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