オトメの魔法
ーねぇ妖精さん。もしかして,飛べたりするの?

女の子はまず,妖精と名乗る彼の,綺麗な羽に興味をもちました。

彼は

『君くらいなら抱えて飛べる』

そう答えると,女の子の手を引きます。

『飛んでみたい?』

その笑顔につられて,女の子は元気よく

ーうん!

と答えました。

すると,瞬く間に,女の子の足裏に手を差し入れた妖精に,横抱きにされてしまいました。

妖精は女の子を怖がらせないよう,ゆっくり上昇します。

女の子はそんな彼の首に,手を回しました。

ーおっお姫様だっこ…

『嫌だった? おんぶとかより見やすいと思ったんだけど』

ーううん! そんなこと無い!
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