総長様は極甘な妄想を止められない



「桜井は、ホントすごいよ。

 彩芽が不安がらないように
 恐怖を笑顔で隠し続けてさ」



「あれは私の強がりで……」


 
「彩芽が兄貴と帰った後
 オマエ、泣き出しただろ?
 怖かったって」



「恥ずかしいところ
 剣崎君に見られちゃったなぁ」



できれば私の泣き顔なんて

剣崎君の記憶から抹消して欲しい。



涙でぐちゃぐちゃな顔

醜かったもん。絶対に。




「俺はさ
 怖くて震えてる桜井を見て
 自分が許せなくなったんだ。

 なんでもっと早く
 助けてあげられなかったんだって。

 家に帰って、怒り狂って
 自分の腹を殴りまくったし」



「剣崎君のせいじゃないよ。
 私の判断ミスだったんだもん」



それなのに、自分を責めるなんて。

やっぱり剣崎君って、優しいんだね。
 
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