プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 ドアから一歩足を踏み出したとたん、右足のヒールが溝にはまってしまった。

「きゃっ」

 その拍子にヒールが脱げて、つんのめった。
 あ、転ぶ!

「おっと」
 そう思った瞬間、田所がすばやく前に回って、わたしを抱きとめた。

 かなり勢いよくぶつかったはずなのに、びくともしていない。

 意外にたくましいんだ。細身に見えるのに。

 思わず見上げると、わたしに視線を向けていた田所と目が合った。

 至近距離で見る彼の瞳はとても澄んでいた。

 切れ長で、瞳の色は濃茶で吸いこまれそうに深い色で……

 わたしの心臓が変な動きかたをした。
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