プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 田所に手を振り、そしてわたしに会釈をして、その子は帰っていった。

「今のかたは?」

「あっ、俺んち、駅前で花屋やってるんですけど。あいつ、うちでバイトしてて。花壇用の苗を届けにきたって言ってました」

「あなたのことを先輩って言ってたけど」

「高校の1年後輩なんですよ。俺、水泳部だったんですけど、あいつマネやってて」

「もしかして、彼女?」

「いや、ただの後輩です。高校時代から花屋になりたいって言ってて、ちょうどうちも人手不足で」

 ふーん、なるほど。
 でも、あの子のほうはどうかな。

 どう見てもあれは、恋する乙女の眼差しに見えたけど。

 初々しいなぁ。
 片思いにしろ、両思いにしろ、そんな誰にもはばかることのない恋愛がまぶしい。

 それに自分の今の状況と引き比べて、軽い嫉妬心もわいた。

< 27 / 88 >

この作品をシェア

pagetop