プリザーブドLOVE ~けっして枯れない愛を貴女に~
***
唐突に自分の居場所が変わる、夢のなかの出来事みたいだ。
1時間前は、想像もしていなかった。
田所の運転する車に乗っているところなんて。
たぶん、彼も同じ思いなのだろう。
ふたりとも、何を、どう話していいかわからず、黙ったままでいた。
でも、気まずいものではけっしてなく、今ここにふたりでいられる事実をじっくり噛みしめている。
そんな沈黙だった。
海沿いの有料道路に入ったころ、田所が、ようやく遠慮がちに口を開いた。
「怒ってます?」
わたしは首を横に振った。
「驚いただけ」
開けた窓から風が潮の香りのを運んでくる。
わたしは田所の横顔を見つめ、それからそっと、彼の腕に触れた