プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 田所はチラッとわたしのほうを見て、言った。
「器が違いますね。亘さんと俺……」

「そうね。あんなに包容力があって物分かりがいいなんて、わたしも知らなかった」

「なんか、悔しいな。結局、勝負に負けたみたいで」

「じゃあ、俊樹がごねたほうが良かった?」

「そういう訳じゃないけど」
 と言って、ハンドルを握っていないほうの手で、ギュッとわたしの手を握りしめる。

 最初に目を留めたのは、この手だった。
 なんて綺麗な手をした男だろう、そう思ったんだった。

 田所の温もりをじかに感じるだけで、例えようもない安心感に包まれていく。

 どうして、この温もりを手離せると思ったんだろう、わたしは。
< 79 / 88 >

この作品をシェア

pagetop