プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 田所の手がわたしの肩に回り、ゆっくりと彼の胸に抱き寄せられ、そして……

「どうしてもあなたが欲しくてたまらなくなった」

 耳元でそう囁かれた。
 田所の言葉、田所の温もりがわたしの心を蕩かしてゆく。

 彼はわたしの顎に手を添え、上を向かせると、下唇を親指で撫でた。

「ホテルで亘さんがあなたにキスしたとき、殴りかかりそうになったよ」

 そんなふうに、ストレートにやきもちを焼いてくれる田所が愛しい。

「我慢してくれたんだ」
「そのぐらいの仁義はわきまえてるから」

 あたりを黄金色に染めながら、遠くの山の端に夕陽が沈んでいく。

 しばらく寄り添ったまま、その奇跡のように美しい光景を眺めていた。
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