花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「花音が起きていたら容易に連れ出せないですからね。まして台湾に連れて行くなんて……。理事長の中では花音の夫はディランで決まったということなのか?」
ディランの別荘を見据えてそんな考えを口にしたら、浩介が反論した。
「それはどうかな?祖父の行動、なんか悪目立ちすぎって感じがする。まるで追ってこいって誘ってる感じがするんだよなあ。しかも、祖父は俺たちの邪魔をしてこない」
確かに、わざとこちらに情報を与えているようにも見える。
理事長は俺たちの動きを把握しているはず。
「やっぱり理事長に試されているのか」
俺がポツリと呟いたその時、三階にある角部屋の窓が開いた。
目を凝らしてそちらに目を向けると、チャイナドレスを着ている花音が出てきた。
「花音!」
俺も浩介も彼女の名前を呼ぶが、車内にいるし、かなり離れているので聞こえるわけがない。
花音は周囲を観察するかのように左右に目をやっている。
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