花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
とりあえず拘束はされていないし、彼女の無事を確認できて安堵した。
浩介が部下が持っていた双眼鏡を掴んで花音のいる部屋を確認する。
「ディランの姿はないな。今、別の部屋にいるんだろう」
「だったら今すぐ突入した方がいいでしょうね。警察への連絡、お願いします」
シートベルトを外してそう言うと、浩介が俺を呼び止める。
「ちょ……待て!」
待たずに車を降りると、浩介も部下になにか告げて車を降りた。
「どうやって突入するつもりだ?泳いで渡るのか?」
「ここ遊泳禁止らしいですよ。普通に玄関から入りましょう」
「いやいや、よく見ろ。門の前にはラドクリフのボディーガードがいるじゃないか」
彼が言うように門の前には図体のデカイ黒服の男がふたりいる。
「そうですね。じゃあ、塀を乗り越えて侵入します。危ないので浩介は車の中にいてください」
元々運動神経はいい方で、孤児院では護身術も習ったし、人の急所も心得ている。
浩介を気遣ってそう言ったが、彼は車に戻らなかった。
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