花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「今年のお正月休みも会社に来てたでしょう?社長が働き方改革をしようって言ってね」
「私よりもまず社長自身が休みを取られた方が」
私も蓮に目を向けると、彼はどこか企み顔で微笑んだ。
「社長も取るから大丈夫」
「だったらいいですけど……」
この笑顔はなんだろう?
彼の笑顔の意味を知ったのは一カ月後のこと。

私と蓮はバリの高級ホテルのプールにいた。
五月の連休後にふたりで休暇を取ったのだ。
マンションでのんびりしようとしたら、蓮に『旅行に行く準備をして』と言われて、バリに連れて来られた。
多分、彼はグランピングの時にバリ旅行の話をしたことをちゃんと思えていたのだろう。
「いいのかな?こんなのんびりしてて。みんな今頃実験してるんだろうな」
デッキチェアに寝そべりプールを眺める私の横で、蓮は本を読んでいる。
「田辺たちにも休みを取るように言ってるから大丈夫だよ。仕事のことは忘れること」
本から顔を上げ、蓮は私の頭を掴みチュッと口付ける。
「えっ?ちょっ……他にも人がいるのに……」
プールには他の宿泊客もいてあたふたするが、彼は余裕の表情。
「日本じゃないんだから大丈夫だよ。楽しまないと」
「でも……他の人に見られるなんて恥ずかしいよ」
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