花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
ボソッと呟く私の頬を蓮が愛おしげに撫でて微笑んだ。
「うん。わかってるよ。さあ、お昼食べたら午後は観光だよ」
彼の言葉にホッとしつつも、ちょっと残念に思う自分がいる。
私もずっと彼に触れていたいって、バリに来てそんな気持ちになる。
南国に来て開放的な気分になってるのかな。
台湾での事件や祖父の死で自分が想像してる以上に落ち込んでいて、今回の休暇はそんな私を元気づけようと蓮が計画したものなのだろう。
祖父が亡くなってから彼はずっと私に寄り添ってくれた。
蓮とはほとんど同棲状態で、今はもう彼のいない生活は考えられない。
だから、彼が仕事で帰りが遅くなる時にふと思う。
急に蓮までいなくなったらどうしようって……。
心にポッカリ穴が空くくらいじゃ済まないかも。
気がおかしくなりそう。
そんな最悪の事態を考えて怖くなる。
「花音、どうかした?」
蓮が少し心配そうに私の顔を除き込んできてハッとする。
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