ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「マルだけが、私の家族だもんね」
呪いにむしばまれたと言われ始めた頃から、シアに対する家族の扱いは少しずつ変化していった。
今までにない力を持つ聖女ということで、ジュスランの婚約者になったはずなのに、今ではその地位も奪われようとしている。それでも、まったく痛手ではなかった。
(婚約者がありながら、他の女性に目移りする程度の男ってことだものね!)
そんな婚約者とうっかり本気で結婚していたら、きっと不幸な結婚生活になった。幸せな結婚生活を、一度も夢見たことがないとは言わないけれど。その夢は、一度目の人生でこなごなに打ち砕かれた。
たぶん、ジュスランとの結婚が現実のものになったところで、シアがこの祠から王宮に移されるという可能性は低かった。
この祠で祈りを捧げることが結界を支えるための唯一の手段なのだから。きっと、妹もここで暮らし、ジュスランとは別居婚になるだろう。
(本当に?)
あの贅沢な妹が、ここでの生活に耐えられるとは思えない。シアだって、マルが来てくれる前の人生では泣きながら暮らしていた。
呪いにむしばまれたと言われ始めた頃から、シアに対する家族の扱いは少しずつ変化していった。
今までにない力を持つ聖女ということで、ジュスランの婚約者になったはずなのに、今ではその地位も奪われようとしている。それでも、まったく痛手ではなかった。
(婚約者がありながら、他の女性に目移りする程度の男ってことだものね!)
そんな婚約者とうっかり本気で結婚していたら、きっと不幸な結婚生活になった。幸せな結婚生活を、一度も夢見たことがないとは言わないけれど。その夢は、一度目の人生でこなごなに打ち砕かれた。
たぶん、ジュスランとの結婚が現実のものになったところで、シアがこの祠から王宮に移されるという可能性は低かった。
この祠で祈りを捧げることが結界を支えるための唯一の手段なのだから。きっと、妹もここで暮らし、ジュスランとは別居婚になるだろう。
(本当に?)
あの贅沢な妹が、ここでの生活に耐えられるとは思えない。シアだって、マルが来てくれる前の人生では泣きながら暮らしていた。