ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
だが、ヴィニーシアを聖女の座から下ろし、ジェルトルーデを新しい婚約者にするというジュスランの目論見は、思い通りにはならなかった。
国王である父は、ヴィニーシアとの婚約の解消に同意してくれなかったのだ。
なぜ、本物の聖女であるジェルトルーデが現れたというのに、偽物との婚約を続けなければならないのだろう。
とはいえ、まだやりようはある。父が視察で王宮を離れたその日に、ヴィニーシアとの婚約を破棄し、速やかに遠くへやってしまえばいい。
いや、いっそ――この世から消えてもらおうか。なんて考えまで浮かんでくる。
「殿下、偽物の聖女が祠を占領しているだなんておかしいですわ」
「――そうだな」
ジェルトルーデは、ヴィニーシアが目障りらしく、しきりにジュスランに訴えかけてくる。
「殿下――私、不安なんです。だって、お姉様は殿下の婚約者だった時代が長いでしょう?」
「一応、婚約していただけだという話だ。俺があいつを婚約者として扱ったことがあるか?」
ヴィニーシアとの婚約が成立したのは、彼女が十二歳の頃。
まあまあ可愛い顔立ちだったし、聖女を王太子妃に迎えれば、ジュスラン自身にも箔が付く。
そう考えて、父である国王の提案を断らなかったというのに、祠で暮らし始めたヴィニーシアはどんどん醜くなっていった。
あれは詐欺だとジュスランは思う。聖女という地位にあるくせに、どんどん黒く、醜い色に染まっていくなんて。
国王である父は、ヴィニーシアとの婚約の解消に同意してくれなかったのだ。
なぜ、本物の聖女であるジェルトルーデが現れたというのに、偽物との婚約を続けなければならないのだろう。
とはいえ、まだやりようはある。父が視察で王宮を離れたその日に、ヴィニーシアとの婚約を破棄し、速やかに遠くへやってしまえばいい。
いや、いっそ――この世から消えてもらおうか。なんて考えまで浮かんでくる。
「殿下、偽物の聖女が祠を占領しているだなんておかしいですわ」
「――そうだな」
ジェルトルーデは、ヴィニーシアが目障りらしく、しきりにジュスランに訴えかけてくる。
「殿下――私、不安なんです。だって、お姉様は殿下の婚約者だった時代が長いでしょう?」
「一応、婚約していただけだという話だ。俺があいつを婚約者として扱ったことがあるか?」
ヴィニーシアとの婚約が成立したのは、彼女が十二歳の頃。
まあまあ可愛い顔立ちだったし、聖女を王太子妃に迎えれば、ジュスラン自身にも箔が付く。
そう考えて、父である国王の提案を断らなかったというのに、祠で暮らし始めたヴィニーシアはどんどん醜くなっていった。
あれは詐欺だとジュスランは思う。聖女という地位にあるくせに、どんどん黒く、醜い色に染まっていくなんて。