ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「このところ、魔物の出現率がずいぶん上がってないか?」
「そうですね。聖女様が祈りを捧げているはずなのですが――王都の周囲を覆う結界は弱くなっているし、瘴気の発生も増えています」

 エクスレイ家に現れたふたり目の聖女。
 醜くなったヴィニーシアにはドレスなど贈らなかったが、ジェルトルーデには多数贈った。最新流行のドレスも、ジェルトルーデにはよく似合う。美しく装ったジェルトルーデを連れ歩くのは、悪い気はしなかった。
 ――けれど。
 祈りを捧げる場が聖女の祠ではないからか、最近結界が弱くなっているようだ。
 姉と同じ能力を持っているから、妹の方でもいいかと婚約を結び直したらこれか。
 苛立たしげに報告書をテーブルの上に放り投げ、乱暴な仕草で椅子の背もたれに身体を預ける。

(聖女の祠で祈りを捧げなくても、結界を維持できるんじゃなかったのか……?)

 贅沢に慣れているからか、ジェルトルーデは聖女の祠で生活するのを拒んだ。
 もう婚約しているのだからと、王宮に部屋を求めた。
 ヴィニーシアとの婚約を勝手に破棄したのが許せなかったらしい父王は、それをよしとしなかった。
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