ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 幾度も人生を繰り返してきたけれど、その度に少しずつ違いが生じている。かつての人生で、一瞬だけ道が交わった人と再会するというのは妙な気分だ。だが、今回は間に合った。

(やっぱり、呪いの元凶は探した方がいいと思う)

 何代にもわたって重ねられてきた強力な呪い。エヴァンドロだけではなくて、王太后までむしばもうとしている。
 この国で、聖女としての役割を求められているわけではないけれど――それでも。五回目の人生で、間に合わなかったことを片付けるのにはいい機会だ。

 夢を見た翌日、「えーい」とポーションを作って、ベラのところに納品に行く。 エヴァンドロの呪いを解くのに間に合ったと思ったら、シアの気分も上昇した。
 昨日、エドとその仲間に五本も渡してしまったから、足りなくなるのではないかと思ったのだ。
 リスヴェンにいるポーション職人はシアだけではなし、急ぐ必要もなかったけれど、自分の棚が空っぽになるというのはなんだか不安だった。

(……たぶん、違うな)

 そう考えて苦笑する。エドがどうなったか、知りたいだけだ。
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