ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 国王が、この国をきちんと治めているのはシアにもよくわかる。
 たしかに貧富の差はあるけれど、弱者にエヴァンドロはできる限りの手を差し伸べている。
 シアは、離宮に入ってからも祈りを捧げている。この国が平和でありますように、と。
 セアルド王国にいた頃は、シアの仕事だから祈りを捧げるのだと思っていた。でも、今は違う。
 自発的に、この国の人達を大切に想っているから、祈りを捧げる。
 ――もしかしたら、この国で幸せになれるのかもしれない。
 店の外から大きな物音がしたのは、エドとアキがこの店を訪れてから十分もたたない頃だった。ゴォーン、ゴォーン、ゴォーンと、三度鐘が鳴らされる。ややあって、今度は激しく打ち鳴らされ始めた。
 新しく入ってきた客を接客していたシアは飛び上がった。

「――どうしたんでしょう?」
「こりゃ、冒険者組合に集合の合図だよ」

 店にいた冒険者達が飛び出していく。ちょっと迷ってから、シアは扉を開いた。
カランとベルが澄んだ音を立てたのとは対照的に、外は騒がしかった。街のはずれの方から、どんどん人々がこちらに向かって走ってくる。

「どうしたの?」

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