ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 怪我を負った騎士や冒険者達は、次から次へと仲間に囲まれて戻ってくる。そして、ポーションを飲み、戻れそうならどんどん戦線に復帰していくのだ。
 ベラだけではなく、その他のポーション屋の中にも、商品を抱えて前線まで出てきた者達もいた。

「空になった瓶集めて! こっち持ってきて! この場でポーション作るから!」

 シアは声をかけ、側の井戸の方へと走り寄る。回復魔術で対応するより、ポーションを作る方が、魔力の消費を抑えられる。魔物の襲撃がいつまで続くかわからないのだから、魔力は温存しなければ。

(……この街を、守らなくちゃ)

 望まれて嫁いできたわけではないけれど、シアはこの街が好きだ。
 この街で暮らしている人達が好きだ。
 ――シアの能力が知られたとしても。この街を守るためなら、後悔はしない。

「絶対に、誰も、逝かせないから!」

 決意を込めて叫ぶ。
 誰ひとり、死なせない。

「お願い、どんどん瓶を持ってきて!」

 シアもあちこち駆け回り、見つけ出した瓶に水を詰める。

「……それは、僕が手伝うよ」

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